エンド直案件とは?手取りが増える仕組みとエージェントの選び方

エンド直案件とは、システムを実際に使う企業(エンドクライアント)が直接発注する案件のことです。フリーランスの場合「エンドクライアント → エージェント(SES事業者) → フリーランス」という商流になり、間に入るのは1社のみです。
一般的なSES企業の正社員に対する還元率は50〜60%、フリーランスエージェント経由のフリーランスではマージン率は概ね10%程度に収まるケースもあります。月単価80万円で試算すると、商流構造の違いだけで年間100〜200万円規模の到達額差が生まれます。ただしフリーランスは社会保険・有給・賞与を全額自己負担するため、福利厚生分(年間160〜175万円相当)を差し引いた実質的な差額で判断する必要があります。
この記事では、商流の階層ごとに到達額がどれだけ変わるかを既存メディア記事の数値と整合させて示したうえで、商流の浅いエージェントを見分ける質問と、SES→フリーランス転向の3ステップを解説します。
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エンド直案件とは?商流の浅さが手取りを変える理由
エンド直案件の定義
エンド直案件とは、開発するシステムを実際に使う企業(エンドクライアント)が直接発注する案件です。フリーランスの場合、「エンドクライアント → エージェント → フリーランス」という商流になり、間に入るのは1社のみです。元請けSIerや二次請け企業を経由しないため、中間マージンが少なく単価が高くなりやすい特徴があります。
なお「エンド直」「プライム案件」「直請け案件」は業界で厳密な定義が揺れており、「エンドクライアントとフリーランスが完全に直接契約する商流(中間業者ゼロ)」を指すケースもあります。ただし昨今はコンプライアンス遵守や与信判断において取引先の基準を満たせないことが多いため、フリーランスが直接エンドクライアントと契約するケースはほとんどありません。多くは元請企業(エージェント/SES事業者)との直接取引が、最も商流の浅い形態となります。本記事では「エンドクライアント→エージェント1社→フリーランス」の商流をエンド直と呼ぶ業界慣用に沿って統一します。
エンド直・元請け直・二次請けの商流を図で比較
IT業界の案件には主に3つの商流パターンがあります。
(間に1社)
クライアント → エージェント → フリーランス
(間に2社)
クライアント → 元請けSIer → エージェント → フリーランス
(間に3社)
クライアント → 元請けSIer → 二次請け → エージェント → フリーランス
商流が深くなるほど各企業がマージンを取るため、フリーランスに届く報酬は減っていきます。SES企業に所属している正社員の場合は、自社の還元率(50〜60%が一般的)が基準となります。次のセクションで具体的な金額差を比較します。
商流の深さがフリーランスの年間到達額をどれだけ変えるか
エンドクライアントが100万円を支払ったケースで、商流ごとにフリーランス/SES正社員に届く金額を比較すると次のとおりです。商流の階層ごとに5〜20%のマージンが発生するため、同じスキル・同じ業務でも商流が深いだけで手取りが大きく変わります。
※ 数値は「SESエンジニアの単価相場|還元率の仕組みと手取りを上げる方法」の商流別シミュレーションに準拠した参考値です。実際の単価・還元率・マージン率は企業や案件により異なります。
エンド直と3次請け以降を比べると、フリーランスの到達額で月28〜33万円・年間336〜396万円の差が生まれる計算になります。SES在籍中に「単価は上がっているのに給与が増えない」と感じているエンジニアの背景には、こうした商流構造の影響があります。
ただし、フリーランスへの到達額がそのまま手取りになるわけではありません。社会保険・所得税・事業経費を全額自己負担するため、売上の概ね52〜58%が手取り目安です。高還元SES(還元率70%)とフリーランスの損益分岐点は月単価70~80万円前後で、それ未満の単価帯では実質的にほぼ同水準となるケースもあります。
商流階層別の累積マージンの内訳とSES還元率の計算方法は「SESエンジニアの単価相場|還元率の仕組みと手取りを上げる方法」で詳しく解説しています。フリーランスと正社員の手取り全体の比較は「フリーランスエンジニアの年収と正社員の手取り比較」を参照してください。
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SESエンジニア視点で見たエンド直のメリット
メリット① 商流が浅い分、提示単価が高くなりやすい
商流が浅いほど企業を経由するマージンが減るため、エンジニアに提示される単価自体が高くなります。テックタレントフリーランスの掲載案件(2026年4月時点・全2,543件)の平均単価は81万円/月、最高単価は150万円/月で、エンド直・元請け直に特化しています。
メリット② エンドクライアントの業務文脈を直接把握できる
エンド直案件では、参画前に現場で扱われている開発アセットを正確に知ることができたり、開発フェーズやチーム構成に現場の雰囲気まで教えてもらえることもあります。
メリット③ 参画後の交渉・改善要望を直接届けやすい
商流が浅いと、参画後にも案件元(エージェント=SES事業者)に対して直接交渉できる範囲が広くなります。単価交渉、現場環境の改善、契約条件の見直しなど、間に多重下請けが挟まる場合と比べて意思疎通のロスが少なくなります。
商流の浅いエージェントを見分ける3つの質問【CA監修チェックリスト】
「エンド直案件を扱っています」と謳うエージェントは多いですが、実態として商流の深い案件を含んでいるケースもあります。下記のチェックリストは、テックタレントフリーランスのCAが累計の案件紹介・エンジニア登録面談で蓄積した確認ポイントをもとに作成しました。
CA監修「商流の浅いエージェントを見分ける質問」
| 質問 | 望ましい回答 | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| 「この案件の商流を教えてもらえますか」 | エンド直/元請け直/何次請けかを具体的に答える | 「エンドから何次請けかわかりません」と曖昧に答える |
| 「単価交渉はエージェントが直接案件元と行いますか」 | 「はい、CA担当が直接行います」と明示する | 「案件によります」「確認します」で終わる |
| 面談には同席してもらえますか? | はい、ご一緒します。 | いいえ、基本的に同席はしていません。 |
| ▶ CA実務コメント 上記の質問内容は誠実なエージェントであれば即答できる項目です。「そういった質問はあまりいただいていなくて」と話をそらすエージェントは、社内で商流を管理できていない可能性があります。なお「マージン率ゼロ」を謳うサービスは仕組み上ありえないため、「ゼロ」と答えるエージェントこそ要注意です。 — テックタレントフリーランス キャリアアドバイザー |
SES→フリーランス転向してエンド直案件を取るまでの3ステップ
SES企業が受注してくる案件は商流が深いケースが多く、また個人としてエンドクライアントと直接契約することは現実的ではありません。フリーランスとして独立し、エンド直・元請け直に強いエージェントを経由するのが現実的な方法です。
STEP 1:転向タイミングを見極める(同一技術スタックの実務2〜3年以上が一つの目安)
エンド直案件に参画するには、エンドクライアントの面談を通過する技術力が必要です。目安として、同一技術スタックでの実務経験2〜3年以上かつ単価相場で月55〜80万円帯(経験3〜5年層)に届くスキル感があれば、紹介できる案件の選択肢が広がります。
「今の自分の市場価値がわからない」場合は、独立前に複数のフリーランス専門エージェントに登録し、どの単価帯の案件を紹介できるか確認するのが最も確実です。面談だけなら独立前でも受けられるエージェントが多くあります。
STEP 2:オファー承諾後に速やかに退職手続きを進める
SES企業を退職してから案件を探すのではなく、退職前に案件を確定させてから退職するのがリスクの低い順序です。ただし業界の実態として、案件の起票は1〜2ヶ月前が中心で、開始日は「即日」または「翌月1日から」が多くなっています。オファー承諾後は速やかに退職意向を伝えることが重要です。
具体的には、在職中にエージェント登録 → 案件紹介・書類選考 → 面談 → オファー承諾 → 退職手続き → 就業開始、という流れになります。労基法上は退職届提出から14日後の退職が可能なため、「翌月1日開始」案件のオファーを退職予定月の前半までに承諾できれば調整可能です。なお開業届の提出(事業開始から1ヶ月以内)や保険・年金の切り替え(退職翌日から14日以内)は、就業開始後でも対応可能です。
STEP 3:商流の浅いエージェントをチェックリストで確認
エンド直案件を確実に獲得するには、エンド直・元請け直の取扱いに強いエージェントを選ぶことが第一歩です。エージェント選びの際は前セクションのチェックリストを使って確認しましょう。
テックタレントフリーランスは、エンド直・元請け直に特化した案件を中心に紹介しています。株式会社コーボーが多数のエンドクライアントと直接取引関係を構築しているため、商流の深い案件は基本的に取り扱いません。専任CAが案件紹介から面談対策・単価交渉までをトータルサポートします。
転向のロードマップ全体については「SES3年目でフリーランスへ転向する3ヶ月ロードマップ」で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
エンド直案件と下請け案件は現場で見分けられますか?
就業中は商流が見えないことがほとんどです。確認できるタイミングは「エージェントとの契約前」のみです。確認方法は本記事のチェックリスト(この案件の商流を教えてください、等)を使うことです。就業後に「実は深い商流だった」とわかっても契約期間中は変更できないため、登録・面談前に必ず確認してください。
エンド直とSES・多重下請けで手取りはいくら違いますか?
エンドクライアントが100万円を支払うケースで比較すると、エンド直では約90万円がフリーランスに届くのに対し、3次請け以降では約67〜72万円程度まで下がります。ただしフリーランスは社会保険・税金を全額自己負担し、福利厚生分(年間160〜175万円相当)も失うため、実質的な手取り差は単価到達額の差より小さくなります。高還元SES(還元率70%)とフリーランスの損益分岐点は月単価80万円前後が目安です。
エンド直と元請け直とプライム案件の違いは何ですか?
エンド直はエンドクライアントから直接発注を受ける案件(間に元請けSIerが入らない)です。元請け直(1次請け)はエンドクライアントから一次受注したSIerから発注される案件です。プライム案件は業界で定義が揺れており、「エンド直」と同義で使う企業と「元請けSIerが主導するプロジェクト」を指す企業があります。「エンド直」と「1次請け(元請け直)」は厳密には別物で、エージェントとの会話では「エンド直ですか」と素直に質問するのが確実です。
エンド直案件はどうやって見つけられますか?
最も確実な方法はエンド直・元請け直に強いフリーランスエージェントに登録することです。エージェント選びの際は「商流の階層」「単価交渉の主体」「同席の有無」の3点を確認してください。前セクションのチェックリストを使えばスムーズに確認できます。
SES企業に所属したままエンド直案件を取れますか?
深い商流の案件ばかりのSES企業が、急にエンド直案件を獲得するようにはなりません。今のままでは難しいと感じており、エンド直・元請け直の案件を中心に取りたい場合は、フリーランスとして独立してエンド直に強いエージェントに登録するか、商流の浅い案件比率が高いSES企業(プライム比率の高い企業)への転職を検討するのが現実的です。
フリーランス未経験でもエンド直案件は取れますか?
エンジニアとしての実務経験があれば、エンド直案件の獲得は可能です。フリーランスエージェント経由であれば、案件紹介・面談対策・契約交渉をサポートしてもらえるため、営業経験がなくても問題ありません。テックタレントフリーランスでは、SES企業からの転向を支援する専任コンサルタントが無料でサポートしています。
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